2018
03.07

移民を体験する授業

アメリカの教育事情

アメリカの小学校で、先日「移民」について考え体験する授業イミグレーションデイがありました。

アメリカにとって大きなトピック、移民 = immigrants

トランプ政権がDACA(親に連れられ子供時代に米国に来た不法移民を救済する制度)の撤廃を決めるなど、移民政策はホットな話題の一つになっています。ニュースで話題になる「移民」というと不法移民問題に焦点があたりますが、

実は「今ここに住んでいる米国人の大多数は、先祖の先祖をたどれば、どこかの世代が移民として移り住んできた移民」という事実。

自分は(生粋の?)アメリカ人だと思っている子供達も、実は何世代も前の先祖がアメリカに移り住んできたのだ、というルーツを知る機会、そして移民について考える機会になります。

うちの小学校ではこのImmigration Eventを毎年2年生が体験します。

子供たち一人一人にキャラクターが設定され(ポーランドから来た30歳の男性でより良い生活を求めシカゴに住む親せきを頼りに移住してきた、16歳のイタリアからきた女の子でお母さんを訪ねてアメリカに移住してきた、etc.) 、子供たちは移民キャラになりきります。しっかり衣装も準備して、持ち込む荷物も5つ考えてバッグに入れます。

ボランティアの親たちも衣装を着こみ、荷物チェックポイント、健康診断ポイント、拘留ポイント等いろいろなブースで待ち構えます。

まずは荷物チェック。

子供たちは楽しそうにワイワイやってきます。・・・が、移民はこの検査を通過できなければ死活問題。

国に返されたり家族がバラバラになったり、とても緊張していたはずです。

その「怖い」思いを体験させるため、検査官役の親は演技!

“Get in line!” “No talking!” “Hey, wait there!!!” しかめっ面で怖い声で命令します。

パパがやると本当に怖い。。。子供達は一瞬で顔がひきつってシーン。。。

そして一人づつ検査官の前に呼び荷物を開けさせます。

検査官はパスポートの写真と本人を疑わしそうに見比べたり、何でアメリカに来たんだと意地悪な質問をしたり迫真の演技。

迫力におびえて黙り込んでしまう子もいれば、何とかパスしようと必死に説明する子もいます。

パスポートにスタンプを押してもらえるとみな一様にほっとした表情(笑)。

荷物検査にパスすると、健康診断のブースだったり、設定によっては「拘留される」子もいます。実にリアルです!

子供たちは色々なブースを回り、詰問を受け、長時間待たされ、移民の立場をしっかりと体験します。

 

 

こちら最終ブース。うちの息子もやっと入国できたようです(笑)。

 

 

 

そして1時間半にわたる移民体験を経て無事入国した後は・・・

Welcome to United States! のパーティー!

最後は楽しい雰囲気で締めくくりますが、子供たちは自ら移民体験をしてみて、色々と心に刻み込まれたことと思います。